【前編】不動産業に転職・就職したい人、あるいは不動産購入を考えてる人に向けた雑記

役に立つか立たないかわからないが、転職市場の規模として非常に大きな不動産業について自分の経験を書き残しておきます。
これから不動産業に転職します、就職しますという人や、家を買うけどどうしようというと悩んでる人が見つけたらラッキーくらいの記事です。ただ、営業的な観点になるので買おうとする方はもしかすると「そういう目線で見られるのか~」となるかもしれませんが、そのあたりはあくまで私見なので流してください。

注意:不動産購入を真剣に考えている場合は個別にご連絡ください、もしくは不動産会社へ足を運んでください

 

不動産業という市場について

 まず不動産屋は一生食っていけると思います、これはほぼ間違いない。これは、そもそも不動産売買というものが免許制(宅地建物取引業者)となっていて、一般・民間での売買が不可能となっています。この内容は宅地建物取引業法(業界では業法と略されたりします)によって定められてるので、このルールが崩壊しない限りは土地も建物も不動産業者にしか扱えないので、かなり固い職だと思います。

 

不動産にはどんな職種があるのか?

 職種というか、不動産業の中でも売買をする会社と賃貸をする会社、あと一部管理会社が分かれているという話です。ぼくは売買の人間で賃貸のことは全然知らないんですが、売買の場合はREINS(Real Estate Information Network System:不動産流通標準情報システム)というところに情報掲載が義務づけられています(※例外あり)。
一方で賃貸の場合、掲載は可能ですが義務ではないため売買の人間からすると正直どういうプラットフォームを使って営業してるのかは謎です。それらしいプラットフォームはあるようですが。
また、管理会社は基本的に大手不動産の子会社が多いのでここでは除外します。賃貸に住んでる方が鍵を失くしたときに連絡するときのあの管理会社です。ちなみにぼくは最近鍵を失くして、鍵を開けるために数万払いました。

つまり、売買の人間は賃貸のことをあまり知らないし、逆に賃貸の人間は売買のことをあまり知らないと思います。この前、Twitterで元R社系賃貸不動産だったと言う人が売買について話しててそれっぽいことを言ってややバズってましたが半分くらい間違ってました。たぶんあの人、宅建宅地建物取引士)資格を持ってないです。

そして、売買のなかで新築マンション販売・中古マンション販売・新築住宅販売・中古住宅販売・注文住宅販売というジャンルがあり、新築マンション販売と注文住宅販売は完全に独立しています。そのため、一般的な不動産屋に行くときに扱えるのは新築/中古の一戸建てか中古マンションのみです。

 

不動産業に就職するために必要なスキル

普通自動車運転免許のみです。これさえ不要な可能性はありますが、多分ないと一生テレアポDM要員になると思います。といっても、エージェントで調べるとほぼ必須資格に入ってるので、基本的に持ってないと厳しいと思います。
実際、銀行行ったり現地行ったり、お客さんを乗せて運転したりとするのでちょっと運転は気をつけなきゃいけないのですが、最近の新築物件なんかはかなり途轍もない場所にあったりします。幅員がギリギリ車幅一台分くらいだったり、建築基準法の例外的な立地だったりします(業界では2項道路と言います)。なので、入ってからなかなか大変な道を運転することは(しかもお客さん乗せながら!)少なくないような印象です。

スキル面ですが、これもあまりないと思います。というのも、特殊な技能を用いるわけではないので、事前に準備できることもそんな無いことと入ってから嫌でも勉強する必要があるのでそのあたりは不要かなと。ただ、基本的にはDM・テレアポ・対面面会など、とにかく会話することが多いのでそこに抵抗あるひとは難しいです。営業になるのにそこに抵抗ある人は多くはないとは思っていますが。

不動産業の休みについて

ちょっとこれは会社に依りそうなので一概には言えないかもしれないのですが、あまり休みは取れない可能性はあります。

これは仕事にあたって誰とやりとりするかというところから考えてみます。
まず、お客さんはほとんど個人の方です。公務員の方だったり、サービス業の方だったり色々ですね。そして、家を買う方はもうほとんどファミリー層なので夫婦で不動産屋に行きます。ぼくの知る限り、たいていのお仕事というのは土日休みが多いので土日に不動産屋を閉めるとお客さんが来なくなっちゃうんですね。なので基本的には平日の火曜・水曜を定休日、もしくは毎週水曜+隔週火曜日を定休にしてるケースが多いです。
で、そういうお客さんが契約になってローンを組みますという話になると次は銀行と司法書士の人とやり取りをするようになるんですね。で、この銀行と司法書士の人たちはいつ休むかと言うと土日なわけです、もちろん月曜・木曜・金曜などでやり取りが終わればいいんですが数千万から数億の買い物がこの程度で済むわけがなく、しかも不動産屋は市役所にも走ったり、契約書作成などやることも多いのでいよいよ平日休めません。
そうなると火曜・水曜は返上してでも作業をしなくてはならず、結果的にあまり休みがないという風になる印象です。ただ、大手不動産の場合はこの一部作業を専門だやる部署があったりするので、必ず休めるという不動産屋もあるのかもしれません。

例外的にですが、投資用不動産専門の会社なんかだと土日休みになるケースがあります。これは富裕層と呼ばれるような、役員の方や曜日関係ない個人事業主の方、トレーダーなどを顧客としてる場合、平日のみの接客にして土日休んでる場合もあります。

こんな風で全体的に忙しそうですが、とはいっても売れなければ忙しくならないのでお客さんありきですね。契約までより契約後の方が圧倒的に大変です、といってもほぼ形の決まった作業になりやすいので慣れたらそんなに時間はかからないと思います。休みは少ないかもしれませんが、会社によってはその分インセンティブがつくので年収で言うと700万~1000万くらいのレンジなら、2年目くらいで入る可能性はあります。その場合は宅建資格は取っといた方がいいですね。

 

【中編へ】

次は不動産の取引方法(片手・両手)と給与のお話から書こうと思います